フランス語は難しいの?

世界で一番難しい言語は? ― フランスの雑誌記事より

語学好きなのでネットでこんな記事を目にし、思わず読んでみました。
https://www.caminteresse.fr/culture/voici-la-langue-la-plus-difficile-au-monde-11187574/

掲載されていたのはÇa m’intéresse という雑誌です。「それは私の興味をそそる」つまりは「私はそれに興味がある」という意味の誌名からも分かるように、いろいろな事象について説明している雑誌です。日常生活でのちょっとした疑問から科学や歴史など多岐に渡る内容について解説を入れていますがどちらかという大衆的な雑誌です。

今回読んでみたのは、世界で一番難しい言語についての記事でした。記事のリンク先に音声ファイルもありますので聞いてみてください。でも合成音だと思います。

さて、ここでユネスコが性・数・格による語尾変化があるか、文字は同じなのに読み方が違うことがあるか、接尾辞の有無などを基準に難しい言語のランキングを出したそうです。ユネスコによると一番難しい言語は中国語で 、文字を見ても音が全く分からない、さらに音の高低を聞き分けなければならない、ということで難しいとしていました。少なくともヨーロッパの言語を母語とする人にとってはそうでしょう。日本人には漢字で分かることもあるので一番難しい言語ではないような気がします。

記事でも触れられていますが、フランス語にはC’est du chinoisという言い方があります。文字通りの意味は「それは中国語だ」ということですが、さっぱり意味が分からないときに使う表現です。

まだフランスに来たばかりの頃、夫の友人が家に来て私にあった本を一冊本棚から出して、中を見てC’est du chinoisとつぶやいたことがあります。私がC’est du japonais「日本語だよ」と正すと「それはそうで、分かってるけど、こういうさっぱり分からない時にはC’est du chinoisというのよ」と言われてこの表現を覚えました。文字が違う言語は不可解に見えますよね。

世界の言語

さて記事によると2番目に難しい言語はギリシャ語。ギリシャ語を勉強したことがないので分からないのですが屈折語尾が難しいのだそうです。3番目はアラビア語で文字や発音が難しく右から左に書くのも他の多くの言語と異なる、というのが理由のようです。個人的には右から左に書くことですごく難しくなる気はしませんがセム・ハム語系の子音の組み合わせを軸にした文法体形が馴染みにくい気がしました。そして4位はアイスランド語でこれも屈折語尾があるのだろうです。そしてなんと5位は日本語でした。表記システム(ひらがな、カタカナ、漢字のことでしょう)がいくつかあって難しいということです。フランス語はというのと10位に入っており、外国人学習者には日本語の方が難しいことになっています。

ちょっと嬉しい気がしたのは、日本語は文法は難しくないけれども日本文化と関わっていて他の言語に訳せない言葉が多いという下りです。日本語でしか表現できないことがある、ということですよね。ただ、これが本当だとすると日本語話者にとっては外国語を学習しにくいということにならないでしょうか。少なくとも、日本語でまず考えてそれを翻訳する、みたいなやり方では無理が出る、ということだと思いました。

言語が好きなので、言語に関連する記事があるとつい読んでしまう私です。

興味があったらリンクから原文を読んでみてください。