フランス語の母の日の言葉

フランスでの母の日 – 思い出を交えて

「母の日」がある国は多いですが、日付は国によって違っているようです。確か日本では5月の第2日曜ですよね。イギリスに住む友人が3月に母の日のことをSNSに投稿しているのを見たことがあります。

フランスでは母の日は5月の最後の日曜日でそれが祝日の場合は翌週の日曜日になります。ですから年によっては母の日が6月の初めのほうに来ることもあるということですね。

母の日というと日本ではカーネーションだと思いますが、フランスでは「母の日 = カーネーション」というイメージは全くないのでカーネーションに限らずどんな花を贈ってもよいです。花を贈るだけでも良いですが、花ではなくてプレゼントを贈ることもあります。

プレゼントとしてよく宣伝されているのは、ジュエリー類。大げさなものではなく日常的に使えるようなジュエリーが目につきます。フレグランスも専門店で母の日向けにキャンペーンをしています。選ばれている香りはセクシーな香りではなく清潔で優しい雰囲気の香りが多いですね。また台所用品のお店や売り場に母の日向けの看板が出ていることもありますので、料理に使うものを贈ることもあるようです。母親のイメージはやはり料理なのでしょう。

日本では母の日というと子供が母親に何か贈る日と解釈されていると思うのですが、フランスでは母の日は子供が母親に何か贈るだけではなく母親である人を讃える、という意味合いがあります。ですから夫が妻に何か贈ったり、親戚や知り合いの人からお祝いのカードや花が届いたりすることもあります。たまたま母の日に駅のプラットフォームで電車を待っていたら鉄道会社la SNCFが母の日キャンペーンをやっていたらしくBonne fêteと書いたきれいなカードをもらったこともあります。何のことか分からず驚いているとC’est pour la fête des mères (母の日なので)と言われてMerci !とお礼を言いました。子供を連れていたわけではなかったので、なぜ母親であることが分かったのか不思議です。

花束やプレゼントではなく、Bonne fête MamanとかJoyeuse fête Mamanとか書いたカードを贈ったり、電話をすることもあります。夫は電話を忘れて母親から苦情が来たことがありましたので、この日は母親に対する気遣いは重要ですね。

フランス語の母の日の言葉

日本もそうだと思いますが、幼稚園や小学校では母の日のための工作をすることも多いです。さすがに中学や高校ではそんな暇はないのか母の日に何か作ったと聞いたことはありません。

作るものはさまざまで今までいろいろなものを子供からもらいました。心に残っているのは息子が持ってきた花。陶器製のヨーグルトの瓶(植木鉢のような茶色の瓶に入っているメーカーのもの。廃品でしょうがクラスの人数分集めるのも大変です)にピンクの花が植えてあり、夕方もらったときはしおれていました。仕事から帰ってきてすごく疲れていたので、そのクタっとしおれた花がとても新鮮で美しいものに見えました。小さな手で持って渡してくれて嬉しい気持ちになりました。水をやったら花がすぐに元気になったのも嬉しかったです。愛らしい花だと思ったので花の名前が知りたくて息子に聞いてみましたが、C’est une petite fleur(小さい花)と言うばかり。後で先生に聞いたらベゴニアだと教えてくれました。

一番感動したのは長女が3歳の時に幼稚園で用意してきたプレゼントです。娘は幼稚園から帰ってくるとすぐに鞄からゴソゴソとカードを出し、そこには詩が印刷されていて長女が描いたらしい絵がついていました。そのカードを持って「おかあさんはいつも素敵で優しくて大好き」というような主旨の詩を朗読し始めました。でも3歳で文字は読めないので、朗読しているように見えても暗唱しているのです。先生から詩が暗唱ができるよう指導を受けて、こうやってカードを持って言いなさい、と教えられたのだと思います。

子供が知らないような文学的な単語が混じっていたのでそこでつっかかっていましたが、私がカードを覗いて一言いうと思い出してまた続きを暗唱していました。その姿がとても可愛くて、初めての母の日のプレゼントでしたがこういうプレゼントもあるのか、と感心、感動しました。

このプレゼントはいろいろな幼稚園で行われていて、他のお母さんも感動で涙が出そうだったと言っていたことがあります。小さい子供にここまで指導するのはかなり大変だと思います。先生、すごい指導力ですね。

小学校では長女が模様を描いた紙を額に入れたものをプレゼントしてくれたこともあります。模様の横に「おめでとう、母」と書いてありました。フランス語ではBonne fête Mamanと書くのでそれを長女なりに日本語に訳してくれたのです。漢字も使われていて、私も教えるの頑張っているし、娘も頑張って覚えてくれている、という気がしました。「お母さん、ありがとう」と普通は書くのよ、と指摘してしまいましたが、フランスの一般の小学校に通っていて先生の指導もないのにクラスで一人、これを書いたのは素晴らしい、という気もして有難く受け取りました。

息子は詩が書いたカードをくれただけで暗唱がなく、「これを読むんじゃないの?」とか聞いてもあまり反応がなくて教えてもらってないのか、覚えてないのか…と思った記憶があります。思えば息子はいろいろな暗誦にその後も消極的だったので幼稚園の時からすでにそうだったのでしょう。

ここまで書いてきて末娘のプレゼントについての記憶がないことにふと気が付きました。でも末娘の母の日のプレゼントについてはかつて匿名で描いていたブログに残っていました。

母の日のプレゼント - 詩と箱
母の日のプレゼント - 絵と鉢植え

鉢植えをもらった記憶がありましたが息子と混同していました。記事に詩の内容まで書いていて記録に残していて良かったです。もう更新していませんが、フランス語も出てくるので興味がある方はどうぞ。

Facebookの投稿を検索したら夫からもらったプレゼントの記事もありました。もらったことは覚えていても誕生日かクリスマスだと思っていました。

みんな、ありがとう。

フランスの母の日