街角のクリスマスのイルミネーションが美しいこの時期、トゥールーズに出張していました。業後、お客様との夕食までの間、クリスマスマーケット marché de Noël を一人でブラブラする機会を得ましたのでそのことについて書きます。
クリスマスマーケットは féerique「夢のよう」とかromantique「ロマンチック」とか言われることもありますが、なぜか私は今まで特別好きだと思ったことがありませんでした。ただ今回歩いてみて、旅先で経験すると味わいがあるな、と感じました。やはりクリスマスのイルミネーションは美しく、住んでいる町ではないので今だけの特別感があります。クリスマスにプレゼントにするようなクラフト系のグッズ以外に、ホットワイン vin chaud やゴーフル gaufre 、リヨンでは見かけないこの地域の食べ物アリゴ aligot(ジャガイモ、チーズ、ニンニク、クリームなどで作るピューレのような食べ物です)、カヌレ cannelé、地域のソーセージなどもスタンドで売られていて、買い食いしている人もたくさんいました。夕食が控えていなければ私もアリゴを食べてみたい気がしました。おいしそうに食べている人たちがいたので。
翌日自宅に戻る予定でしたので荷物になることから、見るだけで何も買わないつもりでいましたが、面白いバッグが売っていたのでプレゼント用に買ってしまいました。
こういうスタンドでお店の人と言葉を交わすのも旅の思い出になりますね。リボンにファスナーがついていてファスナーを閉めていくとバッグになる、というアイデア製品で軽くてたためるので旅行の予備ポシェットやバッグに便利そう、と思いました。でもそれだけではなく、お店の人は箱にリボンの形で入れて、最初何か分からないので面白いプレゼントになる、と言っていました。いろいろな色があったので迷った末に3つ買いました。
私がそのスタンドを通りかかった時には年配の女性が先にいて、2年前にこのバッグをプレゼント用に買ったのだけれども今度は自分のために買いに来た、と言っていました。
お店の人はいろいろなモデルを見せてくれたり使い方を説明してくれたり、と親切でした。そしてお祭りのような楽しさがありました。イリュミネーションが輝く中、買い物をする人や立ち食いをする友達や恋人同士の人たちの華やいだ雰囲気はやはりクリスマスマーケット特有ですね。家の近所だと「しばらくやっているんだし明日も来週も来られる」と思って特別感が減りがちな私も、旅先なので「今夜だけの特別」という気になりました。
支払いをしながらお店の人から
Vous habitez à Toulouse ? トゥールーズにお住まいですか。
と聞かれました。
Non, je travaille à Toulouse cette semaine. J’habite à Lyon. いいえ、今週はトゥールーズで仕事をしているんです。リヨンに住んでいます。
と答えるとこんな会話が続きました。
Vous avez un très joli marché de Noël à Lyon, à Place Carnot. リヨンにすごくきれいなクリスマスマーケットがありますよね、カルノ広場に。
Vous allez à Lyon ? リヨンに行くんですか。
Non plus maintenant. Avant, j’y allais chaque année. 今は行かないですね。前は毎年行っていましたよ。
[ちょっと解説]
「~がある」というil y a …という表現ではなく、「あなた方は~を持っている」という意味のVous avez が使われているのが自然な感じがします。一般的な事実として客観的に言うのではなく、リヨンから来たという私の立場を尊重して親しみを込めている気がしました。
リヨンのPlace Carnotカルノ広場にクリスマスマーケットがあるのは本当です。この広場はぺラッシュ駅の前にある大きな広場で毎年クリスマスマーケットが開かれ、私も2~3度行ったことがあります。
2年前のクリスマスに長女がそこで買ったらしい額装した写真をプレゼントにもらいました。
リヨンでは1つの大きな広場全体がクリスマスーケットになっていますが、トゥールーズでは中程度の広場のいくつかにスタンドが立っていて全部合わせるとトゥールーズの方が規模が大きいのではないかと思いました。
今後はカルノ広場のクリスマスマーケットを見るとトゥールーズのクリスマスマーケットでのこの会話を思い出すことでしょう。
ちなみにこの時に買ったジッパーでできたバッグはこちらの製品です。私が見た時は単色ではなく2色使いの製品が多かったです。